仕事をしていると、突然長男のYUが息せききって工房へ入ってきた。「ツバメの巣が落ちて雛が動けないんだ!」子供にとっては大事件。
外へ出てみると本当だ。1ヶ月ほど前に外壁のオイル塗りをしたせいか、木の壁から巣が半分ほどはげ落ちている。子供が最初に発見した時には3羽だった雛が今は2羽しか見つからない。ここはいつも野良猫の通り道になっているところ。子供達はもう大変。「なんとかして〜」と3人そろって大合唱だ。
仕事どころではなくなってしまった。とりあえずベニヤ板の切れ端で支えを作り、残っている巣の隣に落ちた巣を戻す。

野生の雛は一度巣から落ちる手人に拾われると、人のにおいが付いてしまうので親鳥が自分の子供と認識しなくなると聞いた事がある。それで育児放棄してしまうので、巣から落ちた雛には触らないようにというのだ。
でも今は状況が違う。子供達は目を離していると又野良猫が来ると思って動けない。
YUが手を地面にこすりつけ泥だらけにする。「ツバメの巣は泥で出来ているんだから、こうすれば人のにおいじゃなくなるでしょう」
もっともだ!否定も出来ず、私も手に泥をこすりつけてYUから雛を受け取る。そっと補修した巣に載せる。もう産毛が少なく、羽ばたき始めている。きっと巣立ちが近いのだろう。何とか親鳥が近づいてくれ。と祈るようなきもちで2羽を載せた。
子供は心配そうに巣を見ている。
親鳥はしばらくしたら戻ってくるのだが、まるでガラス板でもあるかのように巣から30cm以内には近づかない。・かなり警戒しているようだ。やはり人のにおいがすると言うのは本当なのだろうか?
15分ほど観察していたが、やはりそのまま親鳥は近づこうとしない。我々が遠巻きにしているからきっと気になるのかも知れない。離れがたい子供達を促して、家に入った。
上手く行ってくれると良いね。と夕食の話題はツバメの事ばかりだった。優しい子供達なんだな。
posted by TAK at 00:00| 山梨 ☔|
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